札幌駅から隣のJR函館本線「桑園駅」との間にかつて「桑園の大学村」「桑園博士町」と呼ばれたところがあります。
北海道大学(当時は北海道帝国大学)の近くで大正から昭和にかけて大学の教授達がこの辺りに当時ではまだ珍しい洋風建築の自宅を建て住んでいたことから名付けられました。
当時は十数名の教授達がこの辺りに住んでおり洋風建築物も数多くありましたが、今では2軒のみとなり大学村・博士町としての面影はほとんど無くなってしまいましたが、2軒の建物と公園等にある説明板からここがかつての大学村・博士村だったことを垣間見ることが出来ます。
桑園の大学村は「さっぽろ・ふるさと文化百選」にも選定されていました。選定当時は6軒もの洋風建物が残っていたそうです。
桑園の大学村 星野邸
桑園の大学村で現存する昭和初期に建てられた建物の1つが星野邸です。
夏場だと垣根で中はほぼ見えない建物となっています。
公開はされていませんし、また非公開ですが「札幌景観資産」にも選定されています。
昭和7年(1932年)に建てられた木造の洋風建築物です。
開拓使の奨励策により要蚕が行われていたこの辺一帯は、その後北海道帝国大学(現在の北海道大学)の教授たちが住んでいたことから、桑園「博士町」や「大学村」と呼ばれていた。明治末に建設された住宅に替えて新築されたこの建物は、大きな切妻屋根、石造の2本の煙突、下見板張の外壁と応接間の出窓などに特徴があり、玄関前庭とともに良質な景観を形成している。
と書かれています。
外からだとはっきりとは見えませんがとても雰囲気のある建物となっています。
- 住所:〒060-0006 北海道札幌市中央区北6条西12丁目11
- 電話番号:なし
- 営業時間:個人宅につき敷地外から見るだけなら24時間(夜は見えません)
- 定休日:なし
- 入場料:なし
- 駐車場:なし
- マップコード:9 520 626*02
個人宅につき、あくまでも外側からの見学に心がけてください。
桑園の大学村 高倉邸
星野邸の斜め向かいに「ふきのとう文庫」という公益財団法人があります。
このふきのとう文庫の裏側に大正10年(1921年)に建てられたという「高倉邸」という洋館があります。現在はふきのとう文庫の管理になっているようです。
以前はツタで覆われていたそうですが今は綺麗な建物となっています。
ペンキで新しく塗られているので古い建物にパッと見た感じだとわかりませんが、よく見ると古いレンガがあり歴史を感じさせてくれます。
土台となっているレンガを見るとよくわかります。
宮部記念緑地
建物ではなく公園ですが、この場所にはかつて北方植物の世界的権威と北海道帝国大学の名誉教授にもなった宮部金吾氏の住居跡地を整備したものです。
緑地内には宮部博士の碑が建てられています。
以上、2018年現在に確認出来た「桑園の大学村」の痕跡でした。
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