北海道大学を観光で訪れる際に、立ち寄らないのは勿体無いのが「北海道大学 札幌農学校第2農場」です。
国の重要文化財の指定も受けており、明治時代の農場施設を誰でも見学することが出来るようになっています。
北海道大学 札幌農学校第2農場へのアクセス・観覧時間・入場料
- 住所: 〒001-0018 北海道札幌市北区北18条西8丁目
- 電話番号:011-706-2658 (北海道大学総合博物館)
- スマホなら上記電話番号タップで電話出来ます
- 公開時間:屋内公開・4月29日~11月3日=10:00~16:00
- 公開時間:屋外公開・通年=8:30~17:00
- 休日:屋内公開のみ・毎月第4月曜日(臨時休館日あり)
- 入場料:無料
- 駐車場:無し(近隣に有料駐車場あり)
- マップコード:9 581 426*77
- 最寄駅:札幌地下鉄南北線「北18条駅」
札幌農学校第2農場へのアクセス
北海道大学と言えば、札幌駅北口からのアクセスが一般的ですが、北海道大学は物凄い広大な敷地にあり、場所によっては地下鉄の駅を利用した方が便利になっています。
国の重要文化祭にもなっている札幌農学校第2農場を最初に見学するということであれば札幌地下鉄南北線「北18条駅」からのアクセスが便利です。
北18条駅からは約600メートル、徒歩10分弱です。
札幌駅北口から歩いていけないこともありませんが約1.8キロ、徒歩30分となります。
時間に余裕がある時なら北大正門から入り、古河講堂を見て北海道大学総合博物館を見て、ポプラ並木を見て、最後に札幌農学校第2農場を見学するというルートもあります。
なお北海道大学を隅から隅まで見学しようとすると実に6キロ以上は歩くことになりますし、時間も4時間以上かかります。
だから「札幌農学校第2農場」を見学して正門に戻りつつ見学するのがおすすめです。
北18条駅から北大に向かっていくとエルムトンネルというトンネルがあります。脇道をまっすぐ進むと案内板が出てきますが、直進します。
少し進むと車の入場を規制する入口に差し掛かりますのでここを右に渡れば「札幌農学校第2農場」となります。
看板が出ているのですぐに分かりますよ。
こちらが札幌農学校第二農場の入口
門が閉じている時は見学出来ません。上記のように門が空いていれば見学出来ます。
北海道大学 札幌農学校第2農場の概要
北海道大学総合博物館のホームページにはこのように書かれています。
明治9年に開校した札幌農学校(現北海道大学)は、W.S.クラークの指導によって開校とほぼ同時に広大な農場を開き、北海道への移住者に未経験の近代的な大規模有畜農業を採り入れる拠点を作りました。
このクラーク構想は、マサチューセッツ農科大学での教え子であるW.P.ブルックスらに引き継がれ、北海道開拓に適する作物や農機具の輸入と選定、栽培や経営法の指導を行って北海道農法の構築に貢献しました。
札幌農学校第2農場は、明治10年に建設されたW.ホイラー設計の模範家畜房、W.P.ブルックスが設計した穀物庫を中心とした一連の畜産経営の施設を備えて、一軒の畜産農家を模した実績・模範農場として発足しました。
各農場施設は、当時のアメリカ中西部の開拓地に広まった軽木骨造りの実用的な建物と同じバルーン・フレーム(風船構造)と言われる建築様式を採っています。
中でも模範家畜房は1階が家畜舎、広々した2階は干草置場となっており、北海道の風土に合った酪農業を進めるためのモデル施設でもありました。
また、大正元年に建設された緑飼貯蔵庫は道内最古のサイロと伝えられています。当時の酪農経営の形態を知る上で、札幌農学校第2農場は大変貴重な建築物となっています。
W.S.クラークとは「ウィリアム・スミス・クラーク」のことで、札幌羊ケ丘展望台で見る「ボーイズ・ビー・アンビシャス」で有名なクラーク博士のことです。
つまりクラーク博士の指導の元、明治9年頃に札幌農学校(今の北海道大学)に大規模な家畜を使った農業を学ぶための施設を作ったということです。
明治10年(1877年)に作られた建物や大正元年に建てられた今では基調な農業に関する建物が見学出来る場所となっています。
建物は全部で8つ(細かく分けると9つ)あります。
入口から近い順に説明していきます。
札幌農学校第2農場の入口と事務所
入口には札幌農学校第2農場の説明が張り出されています。
まっすぐに伸びる道の右側を見ると札幌農学校第2農場の事務所が目に入ってきます。
ここで記帳をしてから見学をすることになっています。
この事務所(Farm Office)自体も1910年に建てられた100年以上経過している建物で重要文化財に指定されています。
冬だと全く様相が変わってきます。
進むと池がありますが、冬の間は雪がつもり池があること自体が分からなくなっています。
札幌農学校第2農場 精乳場と釜場
進んでいくと煉瓦(レンガ)作りの建物と石造りの建物が見えてきます。
札幌農学校第2農場 精乳場
最初に見えてくる褐色のレンガの建物が精乳場と呼ばれる建物です。
牛乳の製造と乳製品の加工・保存を行う施設。1階を冷蔵室・製造質とし、冷媒の氷室は2階に設置した。製造室に入る前には洗浄室で機器と作業員を洗浄して雑菌が入るのを防いだ。
上記のように説明板に書かれています。
1911年に建てられたということでこの建物も100年以上経過しています。
札幌農学校第2農場 釜場
石造りの建物が「釜場」と呼ばれる建物です。
家畜飼料の調整場。竈(かまど)と大釜を備えて豚などの餌を煮こみ、隣の洗い場に広げて潰し、混和した。図右上の小部屋は、囲炉裏(いろり)を置いた従業員の待機・休憩所
と説明板にかかれています。
札幌農学校第2農場 精乳場と釜場 冬の景色
2つの建物とも重厚さと歴史を感じさせてくれる建物です。
冬場だと周りに雪が積もり、近づくことも出来ませんが、煙突と石造りの建物、赤レンガの建物でクリスマスっぽいイメージを演出してくれます。
なお近づきすぎると屋根からの雪や氷柱が落ちてきて危険ですのであまり近づかないようにしてください。
札幌農学校第2農場 牧牛舎
精乳場・釜場から振り返ると一際大きな建物が2つ見えます。
目の前に見えるのが牧牛舎と呼ばれる牛の寝所となります。
赤い屋根と黒っぽい壁板が対照的で非常に綺麗に見える建物です。
1909年に建てられており、100年以上経過している建物です。
牛がいた建物とは思えない重厚感のある建物です。
冬は雪で全体的には見えなくなります。
そしてここでは必ず裏側に周ってください。
裏側に周るとサイロがあります。
春から秋までは非常に牧歌的な雰囲気でゆっくり出来る気分となります。
冬は寒くてさっさと見て周って帰ろうとなるかもしれません。
屋内公開期間であれば中に入ることも可能です(4月29日から11月3日まで)。
古い耕運機等が展示されています。
サイロの中には入れませんが、中を軽く見ることは出来ますよ。
札幌農学校第2農場 種牛舎
サイロの更に奥に進むと種牛舎と呼ばれる建物が現れます。
この建物は1877年に建てられており、140年以上経過しています。
なお冬場は近づくのが困難で撮影出来ませんでした。
再び牧牛舎の前に出て周るか、サイロの方に戻ると隣にある大きな建物を見てみましょう。
札幌農学校第2農場 模範家畜房
札幌農学校第2農場で一際大きく目を惹くのが「模範家畜房」です。
1877年に建てられており、140年以上が経過していて、更に大きく赤い屋根が特徴的で圧倒感がある建物です。
正面から見ると更に大きく感じます。
横から見ても大きいのですが、ここで中央よりやや上を見てください。
拡大します。
牛の木製の彫刻が飾られています。
左右両方にあるので是非見てくださいね。
冬場は1階の半分は雪で遠景だと見えなくなります。
こちらも屋内公開期間は中に入ることが可能です。
牛の人形が子牛までいて結構可愛く展示されています。
2階にも入ることが出来ます。
2階にも農機具等が展示されており、我が国最古の様式畜力農機具群として展示されています。
札幌農学校第2農場 穀物庫・収穫室・脱ぷ室
模範家畜房の奥にあるのが「穀物庫・収穫室・脱ぷ室」です。
右から穀物庫、中央が収穫室、収穫室と繋がって左側にあるのが脱ぷ室です。
ここも冬場は雪で建物にはあまり近づけません。
札幌農学校第2農場 穀物庫
この建物も1877年に建てられています。
高床になっているのは鼠害防止と乾燥のためです。
隣の建物を繋がっているのは廊下ではなく、ベルトコンベアということです。
こちらも屋内公開期間は中に入ることが出来ます。1階にはいろいろな桑が展示されていました。
2階にも上がれ、こちらにも農機具等が展示されています。
札幌農学校第2農場 収穫室・脱ぷ室
穀物粉の隣、高い方が収穫室、低い方が脱ぷ室です。
脱ぷ室は穀類の脱穀を行う機会作業場となっています。
この建物は正確な作られた年は分からないようですが、1880年代ということで120年くらい経過している建物です。
札幌農学校第2農場 秤量所
入口側に戻ってくる途中にあるのが秤量所です。
この建物も地区100年以上です。
比較的簡素な作りとなっています。
札幌農学校第2農場 トイレ
そして最後の建物がトイレ
こちらは比較的最近出来た建物で特に歴史的な価値は今現在はありません。
100年後には価値が出ているかもしれませんが。
こういうところのトイレは汚くて臭い・・・と思うかもしれませんが中は予想していたよりも臭くなく汚くもありませんでした(綺麗とは言えないけど)。
またウォシュレットまでついているのは意外です。
札幌農学校第2農場に行こう!
札幌農学校第2農場は歴史的な価値があるというだけではなく、春から初秋にかけては緑が綺麗な落ち着ける場所になっています。
ベンチも少ないながらあり、ここで落ち着いて風の音を聞きながら100年前の札幌を想像しながら寛ぐのも楽しいのではないでしょうか?
冬だとさすがに寒くて長居が出来ませんが、春や夏なら緑が好きで古い建物が好きならお気に入りの場所になりますよ。
札幌に訪れた際は、是非見てくださいね。
コメント この場所に行ったことがあるのなら是非感想を書いてくださいね。