札幌市交通局 電車事業所は、札幌の名物でもある路面電車(市電)の整備工場および車庫になっている場所です。
夏季は個人で予約無し、しかも無料で見学出来るようになっており、鉄道ファンならずとも楽しめる工場見学的なスポットになっています。
路面電車は地域によっては「チンチン電車」というところもありますね。
電車好きのお子さんと一緒に行ってみるのもおすすめです。
札幌市交通局 電車事業所の詳細とアクセス方法
- 住所:〒064-0921 北海道札幌市中央区南21条西16丁目2-20
- 電話番号:011-551-3944
- スマホなら上記電話番号タップで電話出来ます
- 見学時間:11:00~15:00(14:30最終受付)
- 定休日:後述
- 入場料:無料
- 駐車場:なし
- マップコード:9 400 327*05
- 電車事業所 関連サイト
札幌市交通局 電車事業所の見学時間と可能時期について
札幌市交通局 電車事業所の見学は個人の場合は夏季のみとなっており、冬期は見学することが出来ません。
時期 | 期間 | 個人 | 団体 |
---|---|---|---|
夏季 | 4月1日から11月30日 (基本毎日) |
見学可 | 見学可 |
冬季 | 12月1日から3月31日 (平日のみ) |
見学不可 | 見学可 |
上記の表の通りとなっています。
見学所要時間は1回約30分ですが、短縮して見ることも可能です。
なお業務の都合により見学を中止することや見学時間を変更することがありますので、事前予約は不要ですが念の為に電話にて確認した方が良いでしょう。
札幌市交通局 電車事業所へのアクセス方法・行き方
札幌市交通局 電車事業所へは、市電(路面電車)が便利です。
札幌駅・大通方面からなら市電「西4丁目駅」から内回りに乗り「電車事業所前駅」で下車、下りて目の前が札幌市交通局 電車事業所です。
路面電車は環状線(東京の山手線のようにぐるぐる回っている)になっているので内回りと外回りがありますが、どっちがどっちか初めて札幌に来る方だと分からないと思います。
札幌駅・大通駅から市電の西4丁目駅に向かう場合、外回りの駅はTSUTAYAの前にあります。内回りはもう少しだけ歩いて、4plaというビルの前にあります。
上記の写真が4pla前にある札幌市電「西4丁目駅」です。
Suica等の交通系電子マネーでも乗車することが出来ます。
なお間違って内回りに乗ってしまっても「札幌市交通局 電車事業所」の最寄り駅「電車事業所前駅」までは5~6分の差しかありませんから安心してください。
車の場合は駐車場が近くに無いので、ちょっと不便となっています。
札幌市交通局 電車事業所の様子
上記写真に写っている建物が、札幌市交通局 電車事業所です。
運が良ければ、札幌市交通局 電車事業所から市電の電車が出てくるところを見られるかもしれません。入るところも見られるかも。
古さを感じさせる門にある看板
この門のところから中に入り、線路を気をつけて横断してビルの中に入り、見学希望であることを告げると中止になっていなければ、案内の人と一緒に見学が出来ます。
見学出来る日の見学可能時間であれば門のところに上記写真の案内が出ています。
ビルの中で受付をすまし、担当の方(恐らく次の市電運転までに余裕がある方)が案内をしてくれます。
ビルの中から外に出る前にあるレゴで作られた市電
市電の整備点検工場
最初に案内されるのは整備点検工場です。
安全のため中には入れませんが入口までは行けるので中の写真は撮ることは出来ます。
ここで整備及び点検を行うそうです。
まさに工場と言った感じです。
札幌市交通局 電車事業所に取材に言ったのは2018年8月28日なのですが、この時点でまだ札幌の市電の線路を走ったことが無い新型車両をチラっと見ることが出来ました。
ポラリス(という新型車両)に似た車両でよりコンパクトになったものだということです。
市電の車庫
続いて案内してもらったのは市電の車庫です。
市電が何台も停車しています。
冬の間、雪かき専用として走る「ササラ電車」
ササラとは竹製のブラシのことです。
ササラ電車の正式名称は「ロータリブルーム式電動除雪車」というのですが、正式名称を言える人は札幌でも稀です。
担当してくれた方が説明してくれましたが冬に近くなるとテレビで札幌の冬の便りとしてニュースの取材が来るそうです。
札幌ではそれが冬になる時の風物詩となっているそうですよ。
そしてこの「ササラ」の束、どこかの業者に委託して作っているかと思えば、市電の職員が作っているとのこと。驚きです。
ササラのついてないササラ電車
トラジマでは無いササラ電車もありました。
ササラ電車は「さっぽろ・ふるさと文化百選」にも選定されています。
ササラ電車はもう何十年も同じ車両を使っているそうですが、最新式のものよりも古いものの方が上部で頼りになるし修理もしやすいそうです。
車庫の前にある切り替え(ポイント切り替え)ですが、手動です。
左側に見えるレバーを持ち上げて市電の運転手や整備士自らが切り替えるそうです。
混雑していない時だとこの切り替えレバーを試させてくれます。
車庫の中は比較的自由に担当の方と一緒に見学させてもらえます。
ただし、運転を終えて戻ってくる電車もあるため、絶対に担当の方の指示に従うようにしてくださいね、勝手に動き回るのは厳禁です。
タイミングによっては市電の電車の中に乗車することも出来ます。
市電の中って言ってもいつでも乗れるでしょ?と思うかもしれませんが、誰も乗っていない市電の中ってそうそう経験出来るものではありません。
運転席の写真も気軽に撮影出来ます。
路面電車は全国にまだ20ほどありますが、特徴的なのは2ハンドル(2マスターコントローラー)だということです。
これには理由があって説明してもらいましたが難しくてよくわかりませんでした。でも簡単に言えばブレーキにつく氷を負荷をかけて剥がすためだそうです。雪国ならではですね。
もう1つの市電の整備場と洗車場
整備工場とは別に施設内に設備場があります。
路面電車が業務を終わり戻ってくる時の通路ですが、ここで整備を行うこともあるそうです。
レールの下に人が入れるようになっており背面の確認等も行えるようになっています。
そして以前はここで洗車もしていたそうです。ガソリンスタンド等にある車の洗車機と同じですね。
ただし今はもう利用しておらず洗車担当の方が車庫等で洗車をしているそうです。
札幌路面電車100周年記念パネル展
札幌市交通局 電車事業所とは直接関係ありませんが、札幌の路面電車は2018年でちょうど100年となりました。
一部の路面電車には100周年の記念パネルがついて走っていました。
またそれに合わせて札幌市内の数箇所でパネル展が行われていました(既に終了しています)。
取材で言ったのは札幌中央図書館、札幌市交通局 電車事業所からすぐ近くです。
電車になる前はレールの上の馬が引っ張っていました。
1918年に札幌の大博覧会に合わせて電気で走らせる電車になったそうです。
そしてその電車は名古屋からもってきたということ。既に名古屋には路面電車はありませんが(愛知県の豊橋市というところには今でも路面電車が走っています)。
そして電車になった時は会社が運営していましたがその後札幌市が買い取って運営するようになったそうです。
そして路面電車の利用者が昭和30年代後半(1960年から1964年くらい)には年間1億人になったそうです。で限界に達してきた時に登場したのが地下鉄です。
そして車の所有者も増えて今度は路面電車の需要が無くなり徐々に路面電車のエリアが狭まっていきますが、現在の市電の範囲で残すことになりました。
2015年12月19日までは西4丁目駅からすすきの駅まででループ化されていませんでしたが、2015年12月20日より狸小路駅を加えてループ化(環状化)させて、現在にいたります。
大人向きのパネルも見てみましょう。
こうやって見ると、札幌の歴史を支えてきた札幌市電・路面電車の価値がわかります。
路面電車は北海道遺産に
札幌の市電である路面電車は北海道遺産にも登録されています。
近年では雪ミク電車が冬になると走り、初音ミクファンが全国から撮影に来るようにもなってきました。
札幌に旅行に来られたのなら、事業所への見学に行かないまでも是非路面電車に乗って欲しく思います。
とりあえず1周乗ってみるのも面白いものです。
以上、札幌市交通局 電車事業所についてでした。
なお札幌市電(路面電車)は、サポカン編集部の「札幌おすすめ観光スポット21選」に入っています。
コメント この場所に行ったことがあるのなら是非感想を書いてくださいね。