中島公園にはかつてキツネが住んでいた、と札幌に引っ越してきた時に聞いたことがあった。時代の流れとともに、キツネは出なくなったとも聞いた。
しかしここ最近、再び中島公園でキツネの目撃情報があるらしい。半信半疑でいたが、実際に自分の目で目撃するとは思いもしなかった。
見かけたのはこの記事の投稿日と同じ2021年3月24日だ。
札幌護国神社で見たキタキツネ
神社が好きで、よく参拝に行く。神社の参拝が好き過ぎて、札幌の神社の専門サイトまで作ってしまうくらい好きだ。
札幌護国神社へは1~2ヶ月に1回くらいの頻度で参拝に出かけている。
この日も札幌護国神社へ参拝に訪れた。
参拝を終えて振り返った。
札幌護国神社は塀で覆われ、神門と呼ばれる門を通って拝殿に向かうが、神門の向こうに犬が見えた。
リードもついていない、何とも常識知らずな飼い主だなと思った。
札幌護国神社は境内での犬の散歩は禁止されている。基本的に神社は動物を引き入れてはいけない場所にもなっている。
ペットブームもあって、散歩くらいなら許可をしている神社もいるが、それでもリードをつけて散歩をするのが他の人への思いやりでありマナーであろう。
10秒ほどしただろうか、未だに飼い主が見えてこない。首輪もつけずに何をしているんだ、少しムッとした気分になってきた。
もちろん犬自体はとても好きだ。しかし神社という神聖な場所でリードもつけずいるのは別問題だ。
しかもよく見ると、尻尾が非常にふんわりしている。首輪もついてない。
まさか…
早足でこの動物のところへと進んだ。
犬じゃない!キツネだ!
北海道だけにキタキツネであろう。
まさか本当に中島公園や札幌護国神社に出没していたとは。
威嚇しないように、驚かせないように静かに近づいてカメラ越しに確認した。
ふんわりもっこりとした尻尾、黒い花、目をつぶった時の表情、あきらかにキツネだ。
こちらを見てきて、目があった。それほど警戒はしていないようだ。人慣れしているようにも感じた。
今までも札幌市内の公園でキツネを見たことは何度かある。でもそこにはキツネがいてもおかしくない雰囲気があった。
しかしここは中島公園に隣接した神社だ。毎日参拝に訪れる人もいる。
しかも中島公園から少し先には北海道・東北エリア最大の繁華街「ススキノ」がある。
まさかススキノから直線距離で1kmほどしか離れていない中島公園や札幌護国神社で令和の時代にまだキタキツネがいるとは思ってもいなかった。
噂は本当だったんだ…
こちらの存在には気づいているものの、全く動じることが無い。人間にかなり慣れているようだ。
目を閉じた時の顔がまさに絵本の中のキツネと同様の可愛さがある。
伏せて休むくらい、くつろいでいる。
こちらを少しは意識しているようではあるが、警戒らしい警戒はしていないようだ。人間慣れしている。
ただもし野生のキタキツネを見ても絶対に餌をあげないようにして欲しい。それが彼らにとって最善なことだから。
数分くらい休んでいただろうか、再び動き出した。
木の奥へと向かっていった。すぐ横は車も割と通る道だ。
座っている様子はまるで行儀の良い犬にしか見えない。
不意にあげた前足がまるで手招きしているようにも見えた。
こちらを見て、何か語りかけてくるような雰囲気もあったが、道へと出ていった。
車を注意しながら道を渡り中島公園の敷地へと向かっていった。
前傾姿勢で用心しながら進んでいるようだ。しかし次の瞬間!!!!
おしっこ!!!!!!
排泄行為は犬と同じポーズを取ることに驚いた。顔が見えなければ犬にしか見えない。
そして中島公園の中へと消えていった。
なお中島公園や札幌護国神社では、キタキツネ以外にもエゾリスを見かけることもある。
少しだけ珍しい野鳥も見かけることがあるので、望遠ズームがついたデジカメを持っていると想わぬシャッターチャンスに恵まれることがあるので、是非中島公園を訪れる時は高倍率なズームレンズを持つデジカメを用意して欲しい。
キツネを見かけた札幌の公園とキツネの注意点
今まで札幌の公園でキツネを見かけたところはいくつかある。
円山公園、月寒公園、旭山記念公園、茨戸緑地、西岡公園、宮丘公園、五天山公園
月寒公園以外は近くに山や大きな草原があり、キツネが出てもおかしくないところばかりだ。
でも、中島公園(札幌護国神社)と月寒公園は周りは住宅街でキツネなんて出そうも無いところであるが、それでも出てくるのが札幌なのだろう。
キツネを見かけた時の注意点
遠くから写真を撮ったりするぐらいなら問題は無いが、絶対にしてはいけないことが2つある。
- 餌を与えてはいけない
- 絶対に触ろうとしたい
野生動物に餌を与える行為は、人間への警戒心を薄れさせ、市街地へと来ることが多くなってしまう。そのため車に跳ねられてしまう野生動物が増えている。
痩せ細ろえていてどんなに可愛そうでも、絶対に餌をあげないことが野生動物への優しさなのだ。
そして絶対に触らないこと。また近づき過ぎないこと。ひょっとしたら糞が落ちているかもしれないので、糞にも注意だ。
というのも野生のキタキツネの半数くらいがエキノコックスという寄生虫を持っているとされている。
人間がキツネに触ったり、糞にふれる(靴で踏んだ結果、手で触る可能性もある)ことで、人間もエキノコックスに感染し「包虫症:エキノコックス症」という病気を発症し、場合によっては死に至ることもある。
絶対に近づき過ぎたり、餌を与えないようにして欲しい。
意外と丸々としたキタキツネ
今回、札幌護国神社で見かけたキタキツネは、今まで見かけたキタキツネと大きく違っている点があった。
それは痩せていないことだ。
今まで札幌や北海道で見たキタキツネはどれも痩せこけていることが多かったが、中島公園のキタキツネは割と丸々としていて痩せていなかった。
餌をあげてしまう人がいるのか、それとも人間が残して捨てていく食べ物が多いのか、気になった。
公園に食べ物は絶対に残していかないで欲しい。
札幌護国神社 詳細
- 住所:北海道札幌市中央区南15条西5丁目1-1
- TEL:011-511-5421
- 御朱印:あり
- 参拝可能時間:6:00~16:00(元旦等 変動あり)
- 社務所受付時間:9:00~16:00
- 最寄駅:札幌地下鉄南北線「幌平橋駅」から徒歩2分ほど
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