子どもの頃、よく通っていた映画館がいつのまにか成人映画専門に変わり、そして気がつくと無くなっていた。
そんな経験をした人も多いだろう。
全国的に一時期は映画館の数は激減したものの、シネコンによりスクリーン数は上昇し、映画館は復活した。
同時に街の小さな映画館はほぼ無くなってしまった。
しかし札幌市東区役所から徒歩数分のところに、今でも残る成人映画専門の映画館がある。
その隣にはスナック等が入る雑居ビルがあり、この辺りだけ非常に懐かしさが残る街となっている。
ニュー札東ビル
地下鉄の東区役所前からも見える東区役所から徒歩2分くらいのところに「ニュー札東ビル」というビルがある。
かなり老朽化が進むスナック等が入る飲食店の雑居ビルだ。
昼間はほとんどの店が営業していないため、とてもひっそりとしている。
周りには光星団地という道営の団地が並ぶ、その中央付近に「ニュー札東ビル」はあり、時代から取り残されたようなイメージすらある。
立ち並ぶ居酒屋やスナックの看板が昔懐かしい感じを与えてくれる。
以前は昼間でもビル内に入れたようだが今は昼間はシャッターが閉じられ、中には入れないようになっている。
地下鉄駅から徒歩5分ほどの距離ではあるが、会社帰りのサラリーマンであれば駅近くやすすきの周辺で飲んでしまうことが多いため、この団地周辺に住む人が主に利用しているようだ。
札東映画劇場
ニュー札東ビルの隣にある黄色い外観の建物は道内ではもう2店舗しか残っていない成人映画専門の映画館「札東映画劇場」だ。
出来た当時は春休みや夏休みになればアニメ映画を上映し、普通にロードショーも行う映画館であったが、時代の流れから成人映画専門映画館となった。
周りの団地の住民からは反対運動もあったが、今でも続いている。
開場時間に前を通ったがほぼ入っていく人はいなかった。
それでも営業してくれているのは奇跡のようにさえ思う。
子どもの頃、映画館にはよくアニメ映画や特撮ヒーロー映画を見に行った。当時は春休み・夏休みになれば「東映まんがまつり」が定番だった。
しかしその映画館は成人映画専門映画館になった後、数年で取り壊され今は存在しない。
だから想い出として例え成人映画館となったとしても、残っていてくれるだけで嬉しく感じられる。
もちろん、親からすれば子どもに悪影響を及ぼすかもしれないと思うだろう。
だから残すことに反対する気持ちもわかる。
しかし、せめて1つくらいは街にどんな形にせよ、シネコン以外の映画館が残っているのは面白いのではないだろうか?
個人的にはずっと残って欲しいものだ。
2018年5月に「さっぽろ文芸館」にあった「北の映像ミュージアム」が実質的に閉館した。
映画は文化であったが、シネコンになってからは消費されるエンターティメントの部分が鮮明になったように感じる。
札幌の映画の歴史として札東映画劇場が残ってくれれば嬉しいな・・・
札東映画劇場 詳細
- 住所:〒065-0010 北海道札幌市東区北10条東8丁目2−1
- TEL:011-711-8603
- 最寄駅・アクセス:地下鉄東豊線「東区役所前駅」から徒歩5分ほど
- 営業時間:開場は10:30~
- 料金:午前中入場は1000円
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