北海道で人気のスポットで、まっすぐに伸びる道がいくつかある。
斜里町の天に続く道、富良野のパノラマロード江差やジェットコースターの道が有名だ。
人気の秘密は北海道らしいからというよりも、ずっと続く道は恐らく自分が歩んできた道を思い出させてくるような感覚を呼び覚まされる、またはこれから進む無限の世界に無意識の内に感慨深く心が揺さぶられるためなのでは?と思った。
そんなまっすぐに進むように見える道が札幌にもあった。
SNSで偶然見つけたのだが、その画像を見た瞬間に自分の目でも見てみたいと思い、SNSで見かけた翌日に足を運んでしまった。
札幌市の中央区と西区の間のかつら坂
その場所は、中央区と西区をちょうど区切るようにある「かつら坂」と呼ばれる場所にあった。交差点から左右を見ると「ここから中央区」「ここから西区」の看板が目に入る。
写真からでは伝わらないかもしれないがかなり急な坂道で真夏に上っていくのは避けたいところだが、この坂の上からの景色が見たい!という欲求の方が上回った。
反対側を見ると平坦な道が続くだけだが、SNSで見た景色が本当に見えるのだろうか?と不安になった。
坂道を上り始めるとすぐに浄国寺というお寺が出てきた。昭和8年(1933年)に創建されたお寺ということだ。
地図上で見ると約400メートルであるが、坂道だ。
Google Mapでは徒歩5分と出るがとても400メートルの坂道を上ることは出来ない。
Google Mapはこういう時に腹立たしく思う。
坂を上っていくとお寺の塀にこの坂道について書かれていた。
かつら坂という名前を知ったのはこの看板のおかけである。
日々上り下りする坂道に親しみのある愛称をつけようと、広く町内外の皆様から名前を募集したところ、浄国寺境内桂並木の景観に心を打たれて名付けられた「かつら坂」がこの山の手一条通りの愛称として選定されました。
平成25年4月 山の手第26町内会
かつら坂の片側の半分以上は、浄国寺の塀は並び、その塀にそって桂の木が植えられている。
今はかなり枝が刈られてしまっているが以前はもっと茂っていた様子をGoogle Mapで確認出来た。
かつら坂と名付けられた頃はもっと印象的な風景だったのだろうと、少し残念に思えた。
歩くこと10分、ようやく坂を上りきった。
まっすぐに伸びる札幌の道・山の手一条通り
上りきった坂の上から見た風景が上記の写真だ。
写真だとあまり凄さが伝わらないが、苦労して坂道を上ってきて後悔の無い風景だった。
坂の上からは、右前方につどーむまで見えた。ここからつどーむまでは直線距離で9km以上あるが、それだけ間に高い建物が無く平地になっていることが伺える。
非常に長く見えるが実際にこの通りは1.7kmほどの距離しか無い。
しかし本州では坂道の上からまっすぐに進む1.5km以上の道なんて、そうそう無い。
こういう風景が見られることこそ、北海道に住む者の特権のように思える。
幼少期からここで過ごして来た人だと、この景色が当たり前過ぎて、特に何も思わないのかもしれないが、本州から移住してきた人間にとっては、これほど贅沢な風景を毎日見られるというのは非常に羨ましい。
もちろん、冬になれば雪がつもり、ここで生活する人にとっては車でのスリップの危険もあれば歩いていて転んでしまえば滑り転ぶ危険もあるだろう。
美しいだけでは済まされない北海道・札幌ならではの苦労もあるのは間違いない。
しかし、この景色がずっと続くことを心から望んでしまうのだ。
道の終点には北海道のソウルフードメーカー「ベル食品」の看板が見えた。
ベル食品と言えば「成吉思汗のたれ」が馴染みで、北海道民なら知らない人はいないだろう。
ベル食品の看板が見えるということは、その手前には「レトロスペース坂会館」がある。
この北海道らしい坂道からの風景を見ながら、懐かしさの塊である「レトロスペース坂会館」まで散歩をしてみるのも良いのではないだろうか?
そこにはきっと北海道・札幌には郷愁をかられる味わいがあると思う。
是非、多くの人に見てもらいたい景色だが、ここで生活する人も多いので、多くの人が一度に訪れると迷惑になるかもしれない。
また車で向かう人が多ければ駐車場も無い場所だけに近隣の人に迷惑になるだろう。
だから、もしこの場所に行く時は、出来るだけ公共交通機関を使い、長居することなく楽しんで欲しい。
かつら坂へのアクセス方法・行き方
地下鉄東西線「西28丁目駅」からJR北海道バス「循環 西20」もしくは「循環 西21」のバスに乗車、「宮の森4条10丁目」バス停で下車。
かつら坂まではバス停から徒歩1分弱だが、かつら坂の一番上までは坂道で約400メートル、徒歩7~10分ほどの距離となっている。
バスは循環バスのため、「循環 西20」「循環 西21」のどちらのバスに乗ってもたどり着くので、早く来たバスに乗車してもらうのが良いだろう。
なお先に書いた通り、駐車場は無いので注意していただきたい。
なお、この場所を教えてくれたアカウントには非常に感謝している。
札幌の長い坂道を知っている
#誰も羨ましがってくれない自慢 pic.twitter.com/V3PE3KWWrv
— Nuno (@TNHokkaido) 2019年8月2日
今度は冬に是非、行ってみたい。
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