子どもの頃はよく利用したのに、大人になったらほとんど使わなくなるものはいろいろある。
その1つは線路下の地下道ではないだろうか。
子どもの頃は通学路になっていたり近道になっていたりと、よく利用したが大人になるにつれ、車での通勤が主流になり、いつのまにか使わなくなってしまう。
行動範囲・交通手段の変化と言えばそれまでだが、それ故にたまに通ると非常に懐かしさが蘇る。
ただ地下道に関しては、良い想い出もあれば嫌な想い出もあり、複雑な気持ちが交差する不思議な場所に思う。
SAPPORO SOFTの看板の前、JR函館本線と琴似発寒川が交差する近くにある「発寒10条1丁目歩道線」もその1つでは無いだろうか?
発寒10条1丁目歩道線
桑園駅から手稲駅近くまで続く鉄工団地通は、JR函館本線と並行しているが、発寒中央駅と琴似駅の間、琴似駅よりに「SAPPORO SOFT」の看板を目にした人は多いだろう。
ちょうど、鉄工団地通と琴似発寒川が交差する近くだ。
農試公園の近くと言った方がわかりやすいかもしれない。
この琴似発寒川の橋を発寒側に渡ったところすぐに、JR函館本線の下を通る地下歩道がある。
自転車も押してあるけるように端がスロープになっている。
降りて中を見てみると長さは10メートルくらいだろうか、決して長いとは言えない地下歩道である。
入り口の上にプレートがあるので見てみた。
土留擁壁と書かれている。施行年月は昭和60年(1985年)となっているので、この地下歩道が出来て30年以上が経過していることになる。
この地下歩道の名前を知りたくて見回したが、上記の看板にかかれている名称しか無いようだ。
「発寒10条1丁目歩道線」と書かれているのでこの地下道の名前がそうなのだろう。
冬季は除雪されないためか、通行止めになることが説明されていた。
地下道にありがちなスプレー塗料によるいたずら書きも定番と言えば定番だろう。
地下道の反対側は地下道とスロープが一直線になっていた。
地下道の壁にはいたずら書きだけでなく、幾何学的な魚の模様があしらわれていた。
地元の小学生が書いたものらしい。「制作 八軒西小学校4~6年生 2003.10.28」と書かれている。
これを書いた子どもたちは既に20代後半になるが、高校を出た後に利用したのは何割くらいなんだろう?と思った。
中にはもう10年くらい、この地下道を利用していない人もいるだろう。だから久しぶりに通ればきっと懐かしさを感じられずにはいられないはずだ。
ここを使っていなかった自分自身でも、小学生の時に利用していた地下道の記憶がいろいろと蘇ってきた。
地下道の記憶は複雑な想い出
地下道には良い想い出も嫌な想い出も、悲しい想い出もある。
友人と一緒に遊んだ楽しい良い想い出
いじめにあった悲しく嫌な想い出
他にもいろいろとあるだろう。
だから人によっては近づきたく無い場所かもしれない。
ただ、もし自分にとって良い想い出があるのなら、久しぶりに使っていた地下道を歩いてみるのも良いのではないだろうか?
特にこの発寒10条1丁目歩道線は線路が上を通っている。学生時代までは電車通勤をしていた人であれば線路は郷愁を誘うものにもなっている。
車通勤になって利用しなくなったのなら、きっと懐かしい想い出が蘇るだろう。
発寒10条1丁目歩道線へのアクセス方法・行き方
JR函館本線「琴似駅」から線路沿いを北西方向に約600メートル、徒歩8分くらい。
冬場は閉鎖されているので注意してください。
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