札幌の気候というと冬は雪が積もって寒く、夏は暑い日もあるけど本州に比べれば涼しく過ごしやすい、こんなイメージの人が多いと思います。
実際にほぼそのとおりなのですが、もう少し詳しく札幌で暮らす前に知っておいて欲しい札幌の気候・四季について説明していきます。
札幌の気候の概要
札幌の気候の特色を簡単に言うと四季のメリハリがあるということです。
夏季は湿度が低く爽やかで、冬は積雪寒冷となっています。
札幌の上空には通常、大気が西から東へと流れる偏西風があり、四季を通じて移動性の高気圧、低気圧の影響を受けているため、天気は西から東へと移り変わっていきます。
つまり札幌の中心部にある大通公園を例にしてみるとさっぽろテレビ塔側が曇っていても、さっぽろテレビ塔の反対側である円山・大倉山方面が晴れていると天気は晴れに変わっていくことが多く、逆にさっぽろテレビ塔側が晴れていても、円山・大倉山方面が曇っていると天気は曇りに変わっていくというパターンが多くなっています。
特に12月から2月にかけては、西高東低の気圧配置となり、大陸上空の感想したシベリア寒気団が偏西風に乗って日本海上空で大量の水分を吸い込み雪雲を発生し、北海道の西海岸に達します。
その結果、北海道の中央部を南北に走る日高山脈や夕張山地などが防風壁の役目を果たし、札幌など日本海側には大量の雪を降らせます。
そのため1日で最大1メートルの雪が積もることもありますし、一冬での降雪量(累計で雪が積もる量)は6メートルにも達することがあります。
人口100万人を超える大都市でこれだけ降雪地域に存在するのは世界的にも珍しいと言えます。
札幌の春
関東より西だと春と言えば3月くらいからというイメージを持つ人も多いと思います。
関東であれば3月中旬から下旬にかけて桜の開花が始まります。
札幌の桜の開花は例年であれば4月下旬頃で関東よりも1ヶ月から1ヶ月半ほど遅くなっています。
冬の特徴的な気圧配置である西高東低も3月頃には緩みはじめ日差しも強まってきて3月下旬には日平均気温が0度を越えてきます。
つまり3月下旬でも札幌は東京の真冬よりも寒いということです。
植物が育成活動を開始し、終結するまでの期間を植物期間と言いますが、おおよそ日平均気温が5度以上に期間といわれ、札幌では4月10日前後が5度以上の期間になることが多くなっています。そして溶けずに残っていた市街地の雪もこの頃にはすっかりと消えています。
小中学校の始業式が始まる4月上旬はフクジュソウが咲き始めるので、札幌では入学式・始業式シーズンの花は桜ではなくフクジュソウとなっています。
そして4月下旬になると桜が咲き始め、5月中旬になると札幌の木であるライラックが咲き始め、初夏へと移り変わっていきます。
個人的にですが、本州では5月から6月にかけて紫陽花が咲き乱れ、紫陽花の花を見に行く人も増えますが、札幌では紫陽花の代わりにライラックが似たようなイメージで親しまれているように感じます。
4月下旬から5月にかけてが花が咲き乱れ1年のうち最も美しい季節だという人もいます。
札幌の夏・ビールの夏
6月の中旬から下旬くらいから、日中は汗ばむほどの暑い日になることもあり、7月8月と平均気温が20度を超え盛夏となります。
- 日最高気温が25度を超す日=夏日
- 日最高気温が30度を超す日=真夏日
- 日最高気温が35度を超す日=猛暑日
となっていますが、札幌での直近の夏日・真夏日・猛暑日は下記のようになっています。
- 2017年7月 猛暑日0日・真夏日6日・夏日17日
- 2017年8月 猛暑日0日・真夏日0日・夏日20日
- 2018年7月 猛暑日0日・真夏日5日・夏日9日
- 2018年8月 猛暑日0日・真夏日1日・夏日13日
東京の猛暑日・真夏日・夏日は下記の通りです。
- 2017年7月 猛暑日2日・真夏日24日・夏日5日
- 2017年8月 猛暑日3日・真夏日16日・夏日10日
- 2018年7月 猛暑日9日・真夏日18日・夏日4日
- 2018年8月 猛暑日9日・真夏日16日・夏日6日
そして札幌は夜になると東京に比べ気温が下がりやすいので寝苦しい夜も少なくなっており夜でも25度以上の気温となる熱帯夜はほぼありません。
熱帯夜はワンシーズンで1日あるかないかです。
7月20日頃から大通公園では「さっぽろ夏まつり」が始まり大通公園はビアガーデンとなります。
東京だとビールを飲んだそばから汗として吹き出していくことが多いですが、札幌の夜はそれほど暑くないため汗を吹き出すことなくジンギスカン・焼き肉を味わえるようになっており、ビールをより美味しくいただけると言われています。
ただ8月の下旬になると夜には半袖だと寒く感じるようになっていきます。
札幌の秋 台風と紅葉
9月に入ると札幌は秋に訪れとなります。
雨が降る度に気温が下がっていきやすくなります。
あまり台風の被害に遭うことの無かった札幌ですが、2000年以降台風が上陸することが増えてきており、度々台風の大きな被害に見舞われるようになってきています。
ただし日中は15度から20度前後になることが多く外でも過ごしやすい日となり大通公園では「さっぽろオータムフェスト」というイベントが行われ多くの観光客が訪れます。
実りの秋を祝うイベントです。
そして9月の下旬になると南区の山間部を中心に紅葉が始まってきます。
10月に入ると最低気温が0度になることもあります。
そして雪虫と呼ばれる雪が降る少し前になると飛び始めるという虫を見るようになり例年10月下旬には初雪となります。
この頃には市街地も紅葉が見られ、北海道大学の銀杏並木が人気の観光スポットとなります。
11月に入り10日頃になると日平均気温も5度を下回るようになり、雪がチラチラと降りはじめ、札幌の冬の到来となります。
札幌の冬 さっぽろ雪まつり
11月にはシベリア高気圧が次第に発達し、周期的に寒波を送り込み気温低下は著しく、降雪量も多くなり12月上旬には根雪となります。
ここで雪や気温による日に関する言葉を知っておきましょう。
- 初冠雪=夏が過ぎて初めて山頂に積雪ができること
- 初雪=その冬初めて降る雪
- 根雪=雪が降り積もった後、雪解けの季節まで溶けずに残ること
- 冬日=1日の最低気温が0度未満の日
- 真冬日=1日の最高気温が0度未満の日
札幌は元々冬になると真冬日が続くのが当たり前でしたが、環境の変化により冬日・真冬日とも減ってきており、以前よりは暖かい冬になってきています。
もちろん、それでも東京や関西に比べれば圧倒的に寒いのですが、積雪があるため適度な湿度があります。
そして2月になると札幌最大のイベント「さっぽろ雪まつり」が行われ日本中だけにとどまらず世界中から観光客がやってきます。
雪まつりが終わると大通公園のイベントはしばらくなくなり、ゴールデンウィークまでは比較的静かな時間が流れていきます。
札幌でも寒い地域・雪が多い地域がある
札幌市は人口190万人以上の都市といっても地方都市に過ぎないから気候なんてどこも同じでしょ?と思うかもしれませんが、地域によって寒さや雪の量が異なります。
例えば厚別区や清田区は中央区に比べて冬は平均して1~2度気温が低くなっており中央区よりは寒くなっています。
また降雪量にしても中央区では年間で5メートルくらいですが、南区の定山渓エリアでは7メートルにもなります。
北区でもあいの里エリアだと6メートルほどになります。
区によって気温や積雪量が変わることは知っておきましょう。
札幌に住み始める時期はいつが良い?
筆者が札幌に移住してきたのは10月の前半です。
その後、札幌で知り合った人からは
「この先、寒さしか無い札幌によく来たね」
でした。
今まで太平洋側で暮らしてきた人だと天気が悪い日が続く日本海側の気候に似た札幌は暗い気持ちになるかもしれません。
でも1度冬を乗り切れば、後はもう乗り切れるようになります。
ただせっかく札幌に来たのだから遊ぶぞ!ということであれば引っ越しシーズンの落ち着いてきた4月中旬が一番良いのかもしれません。