2015年頃まで、北海道は九州と並んでクレジットカードの所有率・保有率が低い地域とされていました。
しかし2017年のデータを見ると近畿圏よりも所有率・保有率が高くなっています。
北海道でも道東や道北ではまだまだクレジットカードの利用率が低いという話を聞くので、北海道での保有率が伸びたというよりは札幌での保有率が伸びたと考えた方が正しいでしょう。
北海道(札幌)のクレジットカードや電子マネーの保有率・所有率について現在、どうなっているか説明していきます。
北海道でのクレジットカード保有率は伸びている
JCBが毎年発表しているクレジットカードに関する総合調査というものがあります。
上記の2つのリンク先より引用させていただきました。
北海道は2015年時は81.7%の保有率で平均未満でしたが、2017年では85%となりほぼ平均となりました。
逆に近畿圏(大阪・京都・兵庫 等)は保有率が下がり北海道よりも下回るようになりました。
一方、本州から離れていて北海道との引き合いによく出される九州圏は保有率は低下してきています。
伸び率で見てみると面白い結果となりました。数値は%です。
地域 | 2015年 | 2017年 | 伸び率 |
---|---|---|---|
北海道 | 81.7 | 85.0 | 104.0% |
東北 | 78.0 | 81.3 | 104.2% |
首都圏 | 85.7 | 87.1 | 101.6% |
北信越・北陸 | 82.7 | 82.0 | 99.2% |
東海圏 | 87.0 | 88.2 | 101.4% |
近畿圏 | 84.9 | 83.8 | 98.7% |
中国・四国 | 81.8 | 85.5 | 104.5% |
九州圏 | 81.4 | 80.9 | 99.4% |
平均 | 84.0 | 85.1 | 101.3% |
北海道・東北・中国四国では104%異常の伸び率になっており、クレジットカードの保有者が増えてきているのがわかります。
2013年だと北海道のクレジットカード保有率はエリア別で最下位でしたが、ここ数年で伸びてきているのがわかります。
これは、おそらく北海道は観光大国として観光の活性化に力を入れています。しかし元々クレジットカードを使う人が少なかったためクレジットカードが利用出来るお店も少なかったと言えます。
そうなるとクレジットカードでの支払いが多い外国人観光客に不人気になってしまうので、観光協会や札幌市・北海道がクレジットカードが使えるお店の普及にかなり動いたことでクレジットカードが使えるお店が増えて、それにつられてクレジットカードの保有率も伸びたと考えられます。
北海道での電子マネー保有率は停滞
クレジットカードの保有率は上がってきているのですが、一方で電子マネーの保有率は停滞しています。
上記のグラフはクレジットカードと同じ資料からです。
北海道は81%前後でここ4年間は推移しています。
北海道と比べられることの多い九州圏では順調に伸びていることから、北海道はクレジットカードへ、九州圏は電子マネーへとシフトしているのかもしれません。
しかし札幌では大通公園で行われる大型イベント、さっぽろ雪まつり・さっぽろオータムフェスト等では、電子マネーのブースが作られ電子マネーのシェア拡大を狙っています。
実際にさっぽろ雪まつり、さっぽろオータムフェスト等の大通公園のイベントでは支払いに電子マネーが使えるのですが(主にWAON・nanaco・交通系電子マネー)、停滞しているのが実際です。
北海道でなぜ電子マネーが停滞しているのか?
なぜ北海道で電子マネーの普及が停滞しているのか?
おそらく、北海道の仕組みに起因していると言えます。
電子マネーをどこで使う人が多いかというと、コンビニと電車に乗る時です。
しかし北海道は札幌以外だと車で通勤する人が多く電車で通勤をする人は少なくなっています。更にJR線で交通系電子マネーで乗車出来るエリアが札幌及び近郊のみとなっていて、このエリアに住む人以外は、交通系電子マネーを持つ意味がありません。
またJR北海道が出している電子マネーKitacaにはポイント還元の仕組みもなく、持つメリットが非常に低いことから北海道で電子マネーを普及される要因になっていません。
コンビニ・電車の次に利用することが多いのがスーパーマーケットです。札幌ではWAONの普及率はおそらく上がっていると思いますが、北海道全域で見るとイオンがある地域は少ないと言えるのでそれほど普及もしていないと思います。
何より北海道・札幌ではクレジットカードや電子マネーの使えない現金のみのスーパーマーケットが人気になっていることもあり、現金支払いしか出来ないスーパーマーケットを使う層にしてみれば、電子マネーを持つ意味もありません。
以上、北海道・札幌でのクレジットカード・電子マネーの所有率・保有率についてでした。